某施設のEPS装飾建材の施工現場

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EPS

今回ご紹介するのは、某施設に施工させていただいたEPS(発泡ポリスチレン)製の装飾建材の施工事例です。建物全体を白を基調とした美しい外観で統一しながら、ディテールにおいては装飾性の高いモールディングやボーダーを巧みに配置し、シンプルでありながら華やかさを感じさせるデザインに仕上がっています。

特筆すべき点は、ひさしのように張り出した部分に施工されたR形状の装飾ボーダーです。通常、R形状(曲面)を伴う装飾モールやボーダーを施工する場合、FRPなどの素材で製作すると、原形の型取りや型製作が必要となり、そのぶんコストが高騰することが一般的です。しかし、今回採用したEPS製品では、3D切削による削り出しが可能であるため、複雑な曲面形状であっても型代が不要になり、結果として製作コストを大きく削減することができました。

EPS(発泡ポリスチレン)素材は、軽量で加工性に優れており、現場での施工性にも大変優れています。特に高所や張り出し部分など、重量のある建材では施工に時間や労力がかかるような箇所でも、EPSなら少人数かつ短時間で施工を終えることが可能です。加えて、仕上げに塗装を施すことで、外観上の高級感を損なうことなく、FRPや石膏などと同等、あるいはそれ以上の質感を演出できます。

今回の施設では、外観全体を白で統一していることもあり、EPSの表面仕上げはマットで落ち着いた質感となるよう調整し、施設全体の印象をより明るく、清潔感のある空間へと導く効果がありました。面白いことに、隣接する建物の外装が濃い赤系統のカラーであったため、日差しの角度や時間帯によっては、その色味が壁面に反射し、建物全体がわずかにピンクがかって見えるという現象が起きていました。これは意図した演出ではありませんでしたが、結果的にやわらかく、温かみのある雰囲気を生み出し、利用者や訪問者にとっても非常に印象的な外観となりました。

こうした環境光の反射や周辺の建築物との色彩の連動も、EPS装飾建材の表面仕上げや形状によってさまざまな演出が可能となります。EPS製品は、表面にアクリル系やシリコン系の外装塗料を吹き付けることで、色味の調整や質感の変化を簡単に実現することができます。また、耐候性にも優れており、適切な施工とメンテナンスを行えば長期間にわたって美観を保つことが可能です。

施工にあたっては、下地との接合方法もポイントとなります。EPSは軽量なため、アンカーやビスで簡単に取り付けられますが、当社では必ず接着剤と機械固定を併用し、安全性と耐久性を確保しています。さらに、隙間部分には弾性のあるシーリング材を使用し、雨水の侵入やクラックの発生を防止するよう配慮しています。

今回のR形状ボーダーは、意匠的にも非常に優れた要素として建物の顔となっており、遠くからでも視認性が高く、施設のランドマーク的な存在感を醸し出しています。特にエントランス付近に設けたアーチ形状の装飾部分と連動しており、全体としてのデザインの統一感が感じられる点も高く評価されました。

また、EPS装飾建材のもう一つの大きなメリットは、そのコストパフォーマンスにあります。前述のとおり、FRPやGRCなどの素材と比較しても、製作・施工コストともに低く抑えることが可能でありながら、見た目の重厚感や高級感は損なわないという点で、多くの建築関係者から注目されています。特に予算の制約がある公共施設や商業施設などでは、EPSを用いることで費用対効果の高い空間演出が実現できるのです。

当社アートホクストンでは、EPS製品の設計・製造・施工までを一貫して行っており、3Dモデリングによるデザイン支援や、現地採寸による精度の高い製品供給も可能です。また、既存建物への後付け施工や、意匠変更に伴う再設計、塗装や補修などのメンテナンス対応も柔軟に行っております。

EPS建材に関するご相談やご質問がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。東京・大阪・名古屋の各営業所にて対応可能であり、現地での打ち合わせやサンプル提供なども行っております。ホームページの専用フォームからのお問い合わせも随時受け付けております。

今後もアートホクストンでは、建物の個性を際立たせる装飾建材の提供を通じて、より魅力的な建築空間の実現に貢献してまいります。

 

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