某施設のEPS装飾建材の施工現場
今回ご紹介するのは、某施設において施工したEPS(発泡ポリスチレン)製の装飾建材、特に窓枠廻りのモールディングに関する事例です。建物の外観を彩る装飾モールの中でも、窓廻りのモールは視認性が高く、建築意匠の美しさを際立たせる重要なパーツです。特にEPS製品は、軽量かつ加工性に優れており、近年では多くの施設・住宅に採用されるようになってきました。今回の施工では、数量が非常に多かったにもかかわらず、乾式工法を活用することでスピーディーに工期を完了させることができました。
EPS製窓枠モールの最大の特徴は、「サッシと絡まない独立した施工が可能である」という点にあります。一般的なモールディングでは、サッシの取り合いに注意しなければならず、雨仕舞に課題が残るケースもあります。しかし、EPSモールの場合はサッシに干渉することなく、建物の躯体に直接固定できるため、防水性・耐候性の観点でも非常に安心感のある施工が実現できます。これは特に外装材の耐久性が求められる施設建築において、大きなアドバンテージと言えるでしょう。
また、EPSは非常に軽量であるため、高所作業での取り扱いも容易です。今回の施工でも、2階以上の外壁に多くの窓枠モールを取り付ける必要がありましたが、軽量なEPS製品であったために施工負担が軽く、作業効率の向上に貢献しました。特にクレーンなどの重機が使いにくい現場では、EPSのような軽量建材の有用性が際立ちます。
加えて、EPSモールの利点は加工性にもあります。現場で必要に応じて長さを調整したり、R形状や斜め納まりなどの複雑な納まりにも柔軟に対応することができます。今回の物件でも、開口部ごとにサイズや形状が微妙に異なっていたため、弊社工場にてある程度のユニット加工を行いながら、現場で微調整するというハイブリッドな施工方法を採用しました。このような対応ができるのも、EPSという素材の特性と、弊社が長年培ってきた施工ノウハウによるものです。
施工方法については、乾式工法を採用しました。乾式工法とは、モルタルや接着剤といった湿式材を使用せず、専用の固定金具やビス、アンカーを用いて製品を取り付けていく方法です。これにより、天候に左右されにくく、雨天時でも一定の工程が進められるメリットがあります。加えて、工期短縮や現場の清掃性の向上、材料ロスの低減といった点においても、乾式工法は非常に有効です。
実際に施工したEPS製窓枠モールは、デザイン面でも高く評価されています。今回採用した形状は、装飾性を持たせつつも過度な主張を避けたシンプルな意匠で、施設全体の建築デザインと調和する仕上がりとなりました。さらに、塗装によって表面の質感をコントロールできるため、石材調やスタッコ調、フラットなマット仕上げなど、周囲の外壁やデザインコンセプトに合わせて柔軟に対応可能です。
なお、EPSモールは表面に特殊な被覆材(セメント系・アクリル系など)をコーティングして使用されます。この被覆材がモール本体の強度や耐候性を高めるとともに、塗装下地としての性能も担っており、美観の維持にも重要な役割を果たしています。今回の現場では、施工後に丁寧な下地調整と吹付塗装を行い、均一で美しい外観に仕上げました。目地や接合部についても、コーキングとパテ処理を適切に施すことで、隙間や浮きが生じないよう細心の注意を払いました。
施工中の現場管理についても、特に施工範囲が多かったため、搬入スケジュールや取り付け手順の効率化が求められました。弊社では、施工スタッフだけでなく、製造部門や物流担当とも密に連携をとり、スムーズな現場進行を実現しました。製品の納入段階であらかじめ梱包単位を整理しておくなど、工事の進行にあわせた運搬体制を整えることで、現場の混乱を最小限に抑えることができました。
今回のEPSモールの施工を通じて改めて感じたのは、「EPSはコストと意匠性、施工性のバランスに優れた外装装飾建材である」ということです。重厚な石材やFRP装飾品に比べて安価でありながら、施工後の仕上がりは非常に美しく、施設全体のグレード感を損なうことはありません。特に短納期で意匠性の高い装飾を求められるプロジェクトにおいては、EPS建材の導入は非常に効果的です。
アートホクストンでは、こうしたEPS装飾建材の製造・設計・施工をすべて自社で一貫対応しております。お客様のご要望に応じたカスタム形状のモールや装飾柱、アーチなど、オーダーメイドでの製作も可能です。また、過去の多数の施工実績に基づき、現場環境や構造に応じた最適な施工方法をご提案させていただきます。
EPSモールの施工をご検討されている設計事務所様、ゼネコン様、施主様におかれましては、ぜひ一度弊社にご相談ください。東京・大阪・名古屋の各営業所にて対応可能で、現地調査・お見積もりも迅速にご案内いたします。さらに、弊社ホームページでは過去に施工したEPS建材の事例を多数掲載しておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
今回のような外装窓枠モールに限らず、アートホクストンではエントランス廻りのアーチ、パラペット装飾、ボーダー、ピラスター(装飾柱)、フリーズ(帯状装飾)など、さまざまなEPS製品をご提供しています。軽量・高意匠・高施工性という特性を活かし、建築外装に新たな表情をもたらすEPS装飾建材の魅力を、今後も多くのお客様にご提案してまいります。
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